映画「さよなら、僕のマンハッタン」レビュー、考察

 

 

さよなら、僕のマンハッタン

 


 お久しぶりですriskyです。

相方ばかり記事を更新しているので僕も負けていられませんね!

ということで最近印象に残ってい映画について書いていこうと思います。

さよなら、僕のマンハッタン」ご存じでしょうか?

ニューヨークにすむ青年と、その回りの人間模様を描いた映画です。

あまりこういった映画は見ないのですが、心に強く残ったので紹介いたします。

何が印象的かと言うとまず衝撃を受けたのはお父さんと同じ女性と寝る主人公(笑)

 

 

これだけ聞いたら卑猥な映画を想像するかもしれませんが、何より

心理的描写が秀逸でした。

 

 

~もくじ~

 

 

 

 

 

キャスト・登場人物

海外の俳優は覚えるのが大変ですよね(笑)

 

主人公 トーマス(カラム・ターナー

お父さん イーサン(ピアース・ブロスナン

お母さん ジュディス(シンシア・ニクソン

謎の隣人 W・F・ジェラルド(ジェフ・ブリッジス

愛人 ジョハンナ(ケイト・ベッキンセール

女友達 ミミ(カーシー・クレモンズ)

 

まず主人公トーマスは、素朴で純真、読書好きの大人しい青年という印象ですがその中にも男らしさを持っていて段々と男としての部分が見えてくるのですが、役柄と俳優の見た目がマッチしていてとてもしっくりきました。

根っからの吹き替え派の僕が珍しく字幕映画を見たのですが、父親イーサンと隣人W・Fは表情と間だけで感情が読み取れる名演技だったと思います。

母親のジュディスは双極性障害。個人的にこの障害とは縁が深いので行動や仕草には親近感が湧きましたが少し物足りない感じはしましたね。そこに焦点を当ててない映画なので仕方ないかもしれませんが。

愛人ジョハンナは妖艶で追いかけたくなるような魅力があり、友人ミミの揺れ動く心情もよく描けていたと思います。

 

 

ストーリー

 

友人のミミに恋するトーマスが隣に引っ越してきた謎の男、W・Fと出会いミミと親しくなっていくなかで、父親の浮気現場に遭遇します。浮気相手であるジョハンナに別れるよう説得を試みるなか、ジョハンナに心を奪われていき、W・Fにそれを見抜かれ本気でジョハンナを求めるようになっていく、といった内容です。

浮気やワンナイトなど、関係性の発展の早さがニューヨークらしいですね。まあ、行ったことないですが(笑)

 そして最後に謎の隣人W・Fの正体が明かになり、物語の核心に迫っていくのですが…

 

この映画では色々な愛の形に触れたトーマスの成長が見られ、一つ一つの愛が面白いなあと思います。どんな愛にもドラマがありますよね。

 

演出

この映画の演出を技術面から分析していきたいと思います。まず僕が気になった点は、”視線”

僕はこの視線のテクニックは映画技法のなかで、好きな技術なのでよく注目しています。

 

トーマスは最初はおとなしい青年であり、父親と同じ画面にいるときは必ず父親より低い位置にあります。これは父親とのパワーバランス如実にでています。特に一緒にランチをするシーンでは、横並びになっているのでよくわかると思います。

それがだんだんと高さが同じになっていきます。トーマスの成長がわかりますね。

また隣人のW・Fとの会話では、W・Fとトーマスは視線を交わすシーンが会話の量にしては極端に少ないです。最初はトーマスがW・Fを信用していないので、視線を合わせようとしないのですが段々と打ち解けていきます。すると今度は、W・Fの方が視線を合わせなくなっていきます。この事から、W・Fが何か隠している事が読み取れます。

視線の技法から、この映画の重要なポイント二つを視線から感じとる事ができました。なかなか面白い演出方法なので、皆さんも視線を気にしてみても面白いかもしれませんよ!

 

 

次に気になったのは”体の向いてる方向”

これは見ていて分かりやすかったので、先の展開が少しわかりました。

今回は、トーマスとジョハンナの関係性を深堀していきたいとおもいます。

トーマスがジョハンナを追跡するシーン。この時に画面前方に向かって歩いてくるシーンがあるのですが、二人の関係性が前向きに(この場合は一夜を共にすること)がほのめかされています。

 

また、結婚式のとき二人は画面に対して背中を向けて話していました。この時に、今からこの二人は寝るんだろうなぁ、と何となく思いましたね。

案の定その次のでそのような描写が…(笑)そこから二人は体の関係を続けることになります。

二人で朝をむかえるシーンでトーマスとジョハンナの気持ちにずれが生じてくるのですが、そのときも一旦ジョハンナはトーマスに背を向けることで、トーマスの気持ちをシャットアウトしてるように見えました。伏線というにはすぐに回収してるので、あまり味はしませんが。

 

余談ではありますが追跡しているときの色合いで黄色が目立つような色彩だったので、すぐにバレるんだろうなとか思ったり。

 

僕は主にこの二つの演出技法から登場人物の関係性や物語を読み取れました。他の登場人物についてもたくさん有るのですが、同じ映画を見て是非語り合いたいものですね。

 

 

まとめ

僕がこの映画をレビューしたくなった一番の理由、

それはトーマスが女性関係で最終的にすべてを手に入れられなかったからです。

この映画は、色々な愛について考えさせてくれました。ですがテーマは家族の愛だと思います。

ここでトーマスがジョハンナやミミと付き合えることになっていたら、たぶんしつこすぎる味付けになると思います。

誰とも付き合えなかったことで、W・Fとの関係や、両親との関係に深みが出て気がしてます。

あと個人的に遊び回った人間が恋愛的に孤独になるというシチュエーションがすきで(笑)

そこで僕はこの映画が気に入りました。

あとは、最後にトーマスが言った台詞「逃げなかった方」

どっちのことを指しているのかな、と少し含みを持たせるやり方も美味しかったです。

色々な愛の形にふれ、段々と成長していくニューヨークの少年のお話、是非一度見てみてはいかがでしょうか?

 

ありがとうございます。ごちそうさまでした。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。思うところはあると思いますが暖かく見守ってくれたら嬉しいです。それではまた!