映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」レビュー 映画を楽しみきれなかったシンプルな一つの理由は… 

らいつです!
前回に引き続き、映画のレビューをしていきます!

 

今回紹介するのは2015年に公開された映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」です!
原作の漫画は途中まで読んでおり(20巻くらい)、アニメも2期まで見ました!
…どっちも中途半端ですね笑

 

映画に関する先行情報としては、「かなり酷評されてるっぽい」というのと、「リヴァイ兵長はいない」くらいです。

いろいろと言いたいことはあるのですが、一言で感想をのべると、

 

「惜しい!!」

 

って感じです!これでもかなりオブラートに包んでいますが…。
原作を知るものの視点として、順番に感想を語っていきます!
下は予告編の動画となります!

youtu.be

 

目次

 

 

キャスト

まずキャストに関して、どうしても気になってしまうキャラクターの再現度は、

 

「誰?」

 

って感じで、原作のキャラクターが好きな人がそれ目当てで見に行くものではないのかな、と思います。
それはそもそもリヴァイ兵長がいないところからも伺えますし…というか他にも何人か存在消されてませんでした?
ライナーとかベルトルトとかコニーとかエルヴィン団長とかアニとかクリスタとか…。まだまだいますね。
今挙げたキャラも、もしかしたらいたのかもしれませんが名前が出た記憶もないですし私には存在が感知できませんでした…。
これは尺の都合しょうがないと言えばしょうがないですよね。絶対時間足りないですし。
あと、元々が金髪だったり長身だったりガタイよかったりと外国人設定なのもあり、よりキャラの区別がつけにくくなってしまっているという印象でした。
これは非常に残念ではありますが、下手に原作に寄せすぎなかったのは逆に賢いと言えるかもしれません。
中途半端に寄せてしまうと、そのキャラクターのファンから必要以上に批判を受けてしまうこともあるでしょう。
そういった意味では、リヴァイ兵長をあえて出さなかったのもアリなのかな、という感じです。
ただ、そんな中でもハンジさんサシャに関しては、キャラになりきっている感じがなかなかの好印象でした!

 

ストーリー

次にストーリーに関してですが、妥当といったところです。
超大型巨人によって開けられた穴を塞ぎにいくというシンプルで分かりやすいところを持ってきていました。
ただ、短い時間でまとめるにはどうしても省かないといけない部分があるため仕方ないのですが、物語において重要と感じる伏線(これも進撃の巨人の醍醐味)や、後述しますがキャラクターの背景などもカットされてしまっているのが大変もったいなかったです。
「これはどういうことなんだろう?」と受け手が考える余地なく、一方的にストーリーを押し付けられてしまっているように感じてしまいました、
また、個人的な願望になってしまいますが、訓練兵時代のあのちょっとシリアスの中にある和やかさとか、ちょっとしたシュールな掛け合いなどが無かったのも非常に残念でした。「尺の関係」と一言では切り捨てられない思い入れがあっただけに、寂しさがあります。

 

演出

最後に演出についてですが、これが一番書きたいことが多いです。
巨人の登場シーンに関しては、進撃の巨人ならではの気味悪さ、恐ろしさをうまいこと表現できていたように感じます。
特に前半の街が崩壊していくシーンなどは、「おお~…」と声が出そうになる演出でした。
人々がパニックに陥る様子や、助かろうとして人が人を蹴落とそうとする様子、助けようとしても助からない様子、見知った人が巨人に喰われていく絶望感など、ここには相当力が入っているなあという印象でした。
超大型巨人が巻き起こすパニックシーンは「シン・ゴジラ」を彷彿とさせましたね。後で確認してみると、こちらの監督は後にシン・ゴジラの監督も手掛けていたんですね。庵野総監督のイメージが強く、気づきませんでしたが、納得しました!
原作1巻で原作者が表現したかった雰囲気が、映像の利点を生かして十二分に表現されていたのではないでしょうか。
また、壁の穴を塞ぎに行く時、暗い道の中をいつ巨人が出てくるかも分からず突き進まなければならないシチュエーションも、暗さや静けさ、登場人物たちの息づかいなどの相乗効果で、映像ならではの独特の緊張感がありました。
しかし、私がよかったと思える演出はこのくらいで、あとは「もっとこうであって欲しかった」という突っ込みどころからくる願望の羅列になってしまいますのでここでは省かせていただきます。
一つだけ挙げるとすると、立体起動のアクションシーンに関しては、ハリウッドなどと比べてしまうのは酷なので詳細には書けませんが、進撃の巨人の代名詞の一つでもあるので、もっともっと力を入れてほしいところではありました。

 

この作品を楽しみ切れなかった理由は…

この作品を楽しみきれなかった理由について私が考え、一つの結論を導きだしました。

それは……

 

「キャラが好きになれない!」

 

この一言に尽きます。
たとえば、前述したキャラクターのバックボーンがカットされていることなどにも繋がるのですが、「キャラの信念が見えてこない」んです。これは原作を知っている人ほど強く感じていることだと思います(知らなくても違和感バリバリだと思いますが…)。
進撃の巨人の原作の魅力の一つが「絶望的な状況下にありながらも魅力的なキャラクター」だと思うんです。
ポジティブにせよネガティブにせよ、キャラクターの信念が見えるからこそあの状況が面白いんです。
だからこそ、映画でここのバランスを取るのは非常に難しかったと思います。監督自体、どうしても原作に引っ張られてしまい(原作キャラの正確に寄せようとしたり、原作のセリフを入れたりする意図が見られた)、中途半端になってしまっていたような気がします。
もしこれが原作無しで、たとえば軸になるストーリーだけが先にあって映画になったとしたら結果は違っていたように思えます。
原作の枠を壊しきれず、キャラクターがブレてしまったり(特にエレンとミカサはかなりブレブレ)申し訳程度の恋愛要素を入れてしまったり(ほんとについていけなかった)、迷走してしまっていたように感じられます。

 

まとめ

この映画、少し形が違っていればもっと面白くなっていたように感じるため、本当に「惜しい!」という感じです。
逆に、実写の映画を見ることで、これまで明確に言語化できていなかった原作の魅力も再発見できたため、個人的には収穫はあったと感じています笑
先の記事でも書いたアイアムアヒーローのように、昨今は映像の技術も進歩してきているので、こういった実写化に関しては、まだまだ叩かれることもあるとは思いますが、様々な角度から作品の魅力を再発見する機会になるので、どんどん挑戦してほしいと思います!笑

進撃の巨人のアニメ、ちゃんと見ようかな~と思いました笑
では、また次の記事で~。